新入社員の時に特に気をつけたいのが、無駄な問題意識に振り回されないようにすることです。
無駄な問題意識とは、実利や実害のない問題意識のことです。
例を挙げると、自社のウェブサイトのデザインに不満を感じ、改善を上司に提案している若手社員がいるとします。でも、上司はその提案を受け入れず、若手社員は不満を募らせていきます。
この場合、上司の思考は、デザインはともかく、それなりに売上が出ているので問題はないという判断かもしれません。
つまり、売上という実利だけに注目しているのに対して、若手社員の方は、自分の価値観に執着してしまっていることになります。
これは、営業の仕事などでも当てはまることです。無駄な問題意識に振り回される人は、営業に行った先で「いりません」と言われると、自分を否定されてしまったように感じ、相手が言ってもいないことで心が折れてしまいます。
一方、成果を出している人は「いりません」という言葉は、自分を否定する言葉ではなく「今はいらない」という言葉通りの意味であると捉えますので、次はいけるかもしれないと何度でも訪問することができます。
日本人の場合、相手の気持ちを察するのは美徳という風潮がありますので、相手の言葉の裏を考えようとする傾向は強いものです。しかし、仕事でうまくやっていくためには、無駄な問題意識に振り回されず、事実を伝えること、事実を淡々と受け取るということが重要になってきます。正義感や被害者意識、憶測や不安といった無駄を削ぎ落とし、実利と実害につながる問題だけに目を向けることが肝要です。