Perrier


 
この人は毎朝一番にパキラにミネラルウォーターをあげる。

 鉢植えの土がパチパチと音をたてて水を飲み込む。

 白い壁に白い光が反射して、パキラの葉に零された雫がきらきら光る。

 「それ、ペリエだよね?」

 「そうだよ」

 「炭酸でしょ?」

 「まあね」

 「痛いんじゃないかしら」

 「・・・誰が?」

 「パキラ」

 「どうして?」

 「シュワシュワしてるから」

 「ああ、なるほどね。そういえば君はペリエが嫌いだったね」

 「だって甘くないんですもの」

 「じゃあ、パキラも甘いコーラの方が好きかな」

 「きっとね」

 「そうか」

 そう言って、この人はまた数滴パキラにペリエの雫を垂らす。

 そうして明日もまたパキラにペリエをあげるのだろう。

 そうして明日もまた、私はパキラの鉢植えの土がパチパチいってペリエを飲み込むのを眺めるのだろう。